【文系に数学は必要なのか①】文系か理系か選ぶ際に考えてほしいこと

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文理選択で悩む人へ

少し前に、「文系に数学は必要なのか」という論題が注目の的となっていた。今回はこのテーマを中心に据えながら、文系と理系の違いについて考えていきたい。文理選択を悩んでいる高校生・中学生へのアドバイスとなればいいなと思うとともに、現在進行形で大学生をやっている方たちにとっても、改めて自分の学びに対して意識を省みる機会となってほしく記事を書く。

最初に文理選択の概要を俯瞰し、その後文系・理系それぞれについて詳しく学問分野を見ていき、それを通して改めて学問におけるツールとしての数学の存在意義を考え、最後に「文系に数学は必要なのか」という問題を考えてみる。

私は文系の単科大学に通う学部2年生に過ぎないが(こうやって書くとどうしてもクソFラン大生に見えてしまうのやめてほしい)、理系の学生には及ばないものの、人並み(文系の)以上に数学や科学を独学している身として、少しでも文理の隔ての無い議論ができるよう努める。無論私の主観を存分に含む内容となるので、一意見としてみてほしく、また、ぜひ「私はこう思う」という意見をコメント等で寄せて頂きたい。

文理選択の際に考えること

文理選択の時に考えることは2つだ。「何をしたいか」と「何ができるか」である。

大学の強みは人間と設備

今現在自分は何に興味を持っていて、進学先で何を学びたいのか、それを考えることが文理選択のスタートラインだとされる。基本的には大学とは学びの場であるので、「何を学びたいのか」は重要な要素なのである。この場合の”興味”と言うのは、単なる知的好奇心だけでなく、将来のキャリア目標も意味する。例えば弁護士になるなら法学部、医者になるなら医学部と言ったように、学問への興味ではなく、卒業後目標とする職業を実現することを目的とする場合もよくある(両者どちらも含むこともある)。

ただ、まず断っておきたいのは、この「何をしたいか」を考えるのは非常に困難である、ということだ。中高生にとって、いや年齢なんて関係ないと思うが、現在の自分の興味や将来の展望を、正確に分析するのは難しい。結局自分が何をしたいのかわからない、というケースがとても多い。がしかし、それは当たり前である。まず今文理選択に悩む学生に知ってほしいのは、何をしたいのかなんてわからなくていいということ。じゃあ結局どうやって選べっていうんだって話なのだが、正直そんなのノリでしかないというのが私の意見だ。

確固とした興味を持って入学した学部でも、想像していた理想とのギャップに失望することは往々にしてあるし、逆に、何の興味もなかった学問への興味を新たに大学で開くということもよくあって、入学時は院進すら考えていなかったという大学教授も少なくない。「何をしたいのか」わからなくても、怖がることはないよということ。どんな環境でも楽しもうと努力すれば楽しめる、それが大学である。受動的な人間は無視され、能動的な人間こそ最大限歓迎されるのが大学という世界。それを知ったうえで今後の話を聞いてほしい。

「何をしたいのか」わからない時、何を考えるかと言うと、”環境”である。所謂有名大学、名門大学とそうでない大学との決定的な違いは”環境”だ。まず所属する人間の質が違う。上位の大学は入学試験の難易度が高いので、(少なくとも高校レベルの)勉強ができる人間が集まる。これを単に賢い人間とするのは危険ではあるが、やはり有名大の方が真面目だったり要領がよかったりする人が多い傾向にあるという言説をよく耳にする(あくまで傾向)。同世代の優秀な人と出会える可能性があるのが有名大のメリットだ。また、教授陣も有名大の方が充実している傾向にある。やはり権威のある研究者は有名大に集う。それもそのはずで、有名大には長い歴史と潤沢な資金による、研究に適した風土が形成されているからだ。わかりやすいのは設備だ。蔵書数の多い図書館、高額な実験器具、このような研究に有利な設備は有名大に集中しており、研究能力の差は圧倒的だと言わざるを得ない。

つまり何を言いたいのかと言うと、やりたいことがないなら、できるだけ上のレベルの大学に行ったほうがいいよということ。良い環境は良い人間をつくる。それだけでなく、もしもある学問に興味を持った時、上のレベルの大学の方がより深くまで学びやすい。上に挙げたほかにも、就職の強さや、留学制度の充実など、様々な面で有名大に進学するメリットはある。経済状況や通いやすさなどを考慮しながら、有名大への進学をぜひ検討してほしい。(勿論有名大を目指すデメリットもあって、まず進学のハードルが高いこともそうだし、自分より圧倒的に優れた人間に出会うことで自尊心が傷つけられるかもしれない。そこに関しては一考の余地があるが、とりあえず、進学できたけどレベルが高くて講義についていけないということはまずないので安心してほしい。)

ここで一つやりたいことがある中高生にむけて注意がある。望みの大学に行ったからと言って想像通りの学びがそこにはないということも覚悟してほしい。まず大学も修了の資格を与える以上、学生に一定の履修の規定(必修や単位登録上限など)を設けている。多くの場合これは学生にとっては厳しいものと思われており、自由に学びたいことが学べるわけではないというのが現実である。また、大学の講義は高校までの授業と大きく異なる場合も多く、そのギャップに耐えられないこともある。そもそも学問そのものとして、高校レベルと大学レベルに差がありすぎて、「思ってたのと違う」となることはよくある。後述するが、文系大学生と理系大学生はスケジュールに大きな違いもあるので、その意味でも自分の思うように勉強できないこともある。大学に入ったからと言って学びたいことが学べるとは限らない。場合によっては、学びたいことがあるからこそ、独学で自由に自分のペースで進めるという選択肢もあるということを念頭に置いて頂きたい。また進学前にその大学・学部がどのような履修制度を設けているかを確認したり、履修制度ありきで大学を選んだりすることも考えてほしい(京大理学部数学科は進学要件とされる単位の殆どを数学科目で取ることが可能)。

数学から逃げられるのか

進学先を考える上でもう一つ考えねばならないのは、「何ができるのか」つまり現時点での自分の能力である。興味があっても能力がなければ大学レベルの学習内容にはついていけないし、そもそも入学試験を突破できないことには話にならない。つまるところ、自分の能力で入学できるところにしか入学できないのだから、自分の能力を鑑みることは必要だよねと言う話だ。

殆どの人にとってはこちらのファクターの方が重大で、結局自分はどこのレベルまで目指せるのかという打算から志望校を決定するケースが普通だ。これは悪いことでも何でもないので、そうした選択に後ろめたさを感じる必要は毛頭ない。ただ、数学が苦手だから文系、英語が苦手だから理系、のような選択は後々痛い目を見る可能性があるので十分注意してほしい。

最初に知ってほしいのは、文系・理系の違いは、数学のような俗にいう理系科目/国語のような俗にいう文系科目をメインとして扱うか扱わないか、ではない。基本的に、文理の区別は研究対象が社会科学か自然科学かの違いである。文系でも数学力を求められることはザラだし、理系でも言語能力を求められることもザラである。入学してみたら苦手分野の講義が多数あって苦労するということも十分あり得るので、よく考えてほしい。

ただし、苦手分野から逃れられないのかと言われればそうとも限らない。とりあえず、ある程度下のレベルの大学に行けば、学生の学力レベルも低いので高度な技能を求められることも少ないと考えられる。この”レベル”を判断する材料としては入試問題が最も分かりやすく入手しやすい。入試問題はその大学が求める人材像を表している。つまり、はっきり言えば、数学の課されていない大学入試を出している大学に行けば数学から逃げられる可能性が高いということだ。他の教科も然り。逆に言えば、東大京大の理系で国語の試験があるのも、文系単科大の一橋大学の数学の難易度が高いのも、”そういうこと”だ。

またそれだけでなく、学問の特性上殆ど数学を扱わない学部もある。法学部や文学部などはその一例である(全く扱ってないとは言ってない)。残念ながら国語力が求められないということはほぼないのだが、英語に関しては、恐らく多くの大学では逃げられるケースが多いと思う。さすがに院に行くと英語の論文を読むことも出てくるらしいが。

先ほども言ったが入試問題はその大学が求める人材像を表しているので、合格通知は即ちその大学の講義を受ける(ついていく)に値する能力があるとする免許でもある。入学できたという事実、もしくは入試問題(過去問)がスラスラ解けるということは、その大学の講義レベルに適性があるということなので、その指標としても是非活用したい。

以上のようなことを踏まえた上で、自分の能力を分析し、志望校決定に役立てて頂きたい。まあ大学なんて勉強以外にも楽しいことたくさんある(らしい)ので、入れるところに入るというのも選択としてはありだ。合格できたなら卒業もできるのが日本の大学の特徴なので。警告としては、下手な大学に行くと、大卒資格を持っていても就職に全然有利に働かないこともあり、場合によっては、不利にさえ働くこともあり、高卒就職の方がよっぽど生涯年収が高いというケースもあるので、その辺は十分注意が必要である。

次回 文系と理系の違い

長くなってしまったので、今回はここまでとする。次回はより詳細に、文系学問・理系学問及び、文系学生・理系学生の違いを見ていく。「文系に数学は必要なのか」のテーマまでたどり着けるといいが…。

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